福岡に来て初めての博多祇園山笠。コロナ禍で3年ぶりの開催とあって博多の町は大盛り上がり。東京モンは全く知らなかったのですが、博多祇園山笠は疫病退治の願をかけて櫛田神社に山笠を奉納する博多地区の神事の祭りで、福岡全体の祭りではないとのこと。780年の伝統があり2週間かけて開催されますが、福岡市の中心部に山笠が入るのは集団山笠(やま)見せと言われる1日だけ。1962年に観光客誘致の為、福岡市の要請で集団山笠(やま)見せが始まったのだとか。行政都市福岡と商業都市博多のライバル関係が垣間見えて興味深いです。今年は夫がこの集団山笠見せに台上がりするというので前日の12日に櫛田神社で行われる追い山ならしの見学に行きました。
初めて見る勇壮な風景に圧倒されました。舁山(かきやま)というのは人形師作の御神体人形を乗せた山笠のことで、博多地区を7つに分けて重さ1トンの7種類の舁山が5分おきに次々と登場、速さを競います。神事なので舁手(かきて)は全員男性で褌姿です。
期間中は重さ2トンの飾り山笠もあちこちに登場して市民の目を楽しませてくれます。
さて13日の集団山笠(やま)見せ。台上がりというのは山笠の上に乗って舁手を鼓舞する役回りで、台上がり役は長年に渡り振興に尽くしてきた「流れ」と呼ばれる各地区の代表や福岡の財界人等が選ばれて櫛田神社に集まります。
午後3時半、一番山笠の恵比須(えべす)流れが呉服町交差点をスタート。歓声と拍手が沸き起こり、各流れが時間を置いて追いかけます。男性陣の目力、真剣な表情が凄い迫力です。とにかく早いこと!
夫は中洲流れで台上がりを一生懸命努めていました。コロナ禍の2年半の間に繁華街の中州の飲食店は大打撃を受け、山笠の舁き手が半減したとも聞いていましたが、伝統の祭りに関わる全ての人の思いが一つにまとまる様子を見て涙が出てきました。本当に涙腺が崩壊しております。実際にこの目で見るまでは「上に人が乗るから山笠が重くなるから誰も乗らない方がいいんじゃない?」などと勝手な事を言っていた自分が恥ずかしいです。ほんと。
伝統と地域を守ろうとする博多の人々の心意気に頭が下がります。山笠を舁いて前に進むという目標に向かってひたむきに取り組む人の姿は美しいと感じました。子供たちも大勢回りに参加していました。15日の最終日の追い山は豪雨と聞いて朝4時からテレビ中継で見ました。見ているうちにやっぱり行けばよかったと後悔。来年は最終日の追い山笠もこの目で見に行きたいです。博多、良かとこです。
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