講談の発表会に出ました!

福岡で講談教室に通い始めて早1年…。6月18日土曜日に塾生27人による講談の発表会が繁華街のホールで開催されました。私も着物を着て参加。師匠は福岡県出身で講談協会会長を務める神田紅先生。実は東京でも3,4年前に半年ほど、上野広小路で紅先生の講談教室に通っていました。お腹から声を出すことでストレス解消につながり、講談の語り口調の端切れの良さ、テンポの良さ、潔さが気に入り、東京でも一度は発表会に出たのですが、その後仕事が忙しくて続けられず途中で離脱してしまいました。それから退職して時が経ち、福岡に引っ越すことになって「これも何かの縁」と改めて神田紅講談教室@福岡の門を叩いたのでございます!!!紅先生は快く指導をしてくださっています。(人格者なのです)

さて当日の私の出し物は「鉢の木~いざ鎌倉と源左衛門駆けつけの一席」でございます。

張り扇を叩く筆者

過去1度の発表会時にさらった演目なので(出来はいまいち)別の演目にしようか迷いましたが、ちょうど大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送中なので少しでも見てくれる人に馴染みのあるネタの方がよいかと考え「南部坂雪の別れ」(忠臣蔵の一席)を変更して「いざ鎌倉」を選びました。

「時は鎌倉幕府5代の執権・北条時頼公の時代!ところは下野の国の山中!~」で始まる鉢の木は史実を大袈裟に脚色した創作モノとも言われますが、武家社会の御恩奉公の空気感を伝える講談の一席です。北条時頼は身分を隠して大雪の中、忠義の心厚いと言われる佐野源左衛門常世のあばら家を訪ねます。そして常世とのやりとりで梅・松・桜の三木の鉢植えに目を留めます。「なぜこんなものを?」常世は中国の故事にちなんだ由来を説明し武士の忠義の心を語ります。さらに火の勢いが弱まると客人をもてなす為に惜しげもなく鉢の木を折って火にくべてしまいます。深い教養と武士の心構え、忠義の心にすっかり感銘を受けた時頼公は鎌倉に戻ると、謀反がおきて攻め込まれているとの偽情報を流し、源左衛門常世が駆けつけてくるかどうかを試します。果たして…源左衛門は「時節到来!」と先祖伝来の兜をかぶり、大長刀を抱えてやせこけた名馬にのり栃木県の山を一気に駆け下り、利根川をざんぶと渡り、千代田村~大森~川崎~保土ヶ谷~鎌倉へと駆けつけるのでありました!はぁはぁ…

張り扇(手製)

張扇(はりおおぎ)と呼ばれるバチをパンパン叩きながらテンポよく大声で語るうちにあっという間に終わった10分でした。数年前に東京で参加した時よりも成長を感じます。

嫌々見に来た夫(写真撮影担当です)曰く「いざ鎌倉」というよりも「この地球をわが手に」という征服感満載の講談だったと言っておりましたが…

地球をわが手に!

来年も発表会があるとのこと。今度は南部坂雪の別れにしたいと思っています。

四十七士の名前を全部覚えるのが楽しみです。GHQは忠臣蔵のような「主の名誉のために命を投げだす武士」の姿に恐怖を感じて戦後、講談を禁止したなどと言われています。

私も男尊女卑や身分制度に縛られる価値観は好きではないのですが、人の心の美しさを伝える部分はもっと焦点を当てていいのではないかと思っています。来年の発表会に向けてさらに精進します。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本テレビで記者職を34年。その後討論番組を担当し、今年1月に 定年退職しました。これまでの経験を生かして働く女性の悩みに答えて 少しでも助けになればと思っています。よろしくお願いします。