PREP法というのはPoint(結論・主張)Reason(理由)Example(具体例・根拠)Point(主張)の順番で論理的に物事を伝える技術です。
文章を書く時はもちろん、日常生活で家族と話す時も、PREPを意識すれば「何が言いたいの?」と言われることが少なくなるはず。たとえばこんな感じです。
P=私はあなたにもう少し早く家に帰ってきてほしい。R=なぜならあなたの身体が心配だから。E=先月も仕事で帰りの遅い日が月の半分以上続いていたし、このところ顔色も悪い。P=だから帰れるときは早く帰ってきて。
このように言われると相手も「そうだなあ、帰れるときは帰るようにしよう」と伝わります。「早く帰ってきて!いつもいつも遅いじゃない!」とただ主張するだけでは「仕事だからしょうがないだろ!」と相手も反論し、ぎすぎすしてしまいます。具体例をどれだけ表示できるかが決め手です。
一日一PREPを意識して30秒話してみるだけで訓練になります。
たとえば「私が尊敬する人」 私が尊敬するのはドイツの前首相アンゲラ・メルケルです。理由は彼女が揺らぎない信念を持ち、感情のコントロールができるからです。例えばアメリカのトランプ大統領やロシアのプーチン大統領から会談の場で失礼な態度をとられた時でも彼女は動ずることなく冷静に対応しました。戦後イスラエルを最初に公式訪問したドイツの首相でもあります。私は彼女が女性のリーダーだからではなく本物の政治家だという理由で尊敬しています。という感じです。
PREP法には相手の時間を無駄にしない=相手を思いやる話術です。話をするのが苦手な人は考える前に話しだすか、自分の問題にだけ関心が向いているからなのです。なかなか難しいので訓練が必要となります。
PREPがビジネスの場面で使われるのと比べるとアサーションはカウンセリングの場でもよく使われます。自分も相手もお互いを尊重して自己表現するコミュニケーション手法です。
アサーショントレーニングで使われる手法はDESC法と呼ばれます。D=Describe(状況描写)E=EXPRESS(自分の気持を正直に表現する)S=specify(or suggest)(具体的提案)C=choose(選択する)この順番で話を進めます。
たとえばあなたが大事にしている庭のバラを友人の連れてきた犬が嗅ぎまわっているとします。日本人の多くは「あなたの犬がバラのとげで怪我をするといけないから、あっちに移動しましょう」などと相手のことを思いやった言い方をしますが、それは正直に自分の気持を伝えたことにならずアサーションではありません。アサーションだとこうなります。
「あなたの犬が私のバラに興味があるみたいね」「あのバラは来週の品評会に出す予定の大事なバラなの。壊されるととても悲しいわ」
「よかったら場所を変えて話をしませんか?」「そうなれば犬も傷つかないし、バラも傷つかないと思うので楽しく話ができるわ」
というような感じでしょうか。あくまでも自分の感情を素直に伝えることが大事で、説得することが目的ではないのです。
PREPもアサーションもすべてのコミュニケーションの場で応用できますが、訓練が必要なので毎日少しずつやってみるといいかもしれません。
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